第2章
第2話
魅惑の宴(初めてのSAKURA)・・・A

A『お、奥さん、飲みっぷりいいねぇ!ご主人とのお話しは纏まったようだね。一緒に飲みましょう!』

「あはは。は〜い。飲みましょう!」

マスター『あはは。飲み過ぎないようにしてくださいね。みんなで王様ゲームでもしますか?』

C『あはは。もう王様ゲームしなくてよくね?みんなこんなだし・・・あはは。』

「マスター!おかわり〜!」

マスター「あはは。おかわりですね。かしこまりました。」

B『そうすね。王様ゲームするまでもないですね。
うちのは、リナ(SAKURAgirl)さんと出来ちゃってるし・・・俺は暇になっちゃった^^』

マスター「あらら。もう・・・激しいなぁ・・・。リナは・・・。」

B『Y&Nさん!ご主人、奥様のお隣に行ってもよろしいですか?』

夫『あ、はい・・・僕は、見てたいんで・・・妻がそちらに行きます・・・』

「えっ・・・わたし?私がいくの?」

夫『あ、あぁ・・・見ていたいんだ・・・む、無理かなぁ・・・』

「そ、そうね・・・そうだよね・・・わ、わかった・・・。主人の命令なので、そちらに伺います!」

B『お、やった!ご主人NGとかありますか?』

夫『あ、いや・・・と、特に決めてないです・・・え、えっと、ほ、本番は今日はやめときます・・・』

B『あはは。本番NGですね^^了解しました。ご主人はそこから見ていますか?』

夫『あ、はい・・・』

B『そしたら横並びだと見ずらいですねぇ・・・。
ではここの席は、うちの女房とリナさんに使って貰って・・・。
すみません・・・盛り上がってるところ・・・真ん中よろしいですか?』

C『あはは。どうぞどうぞ。ここ空けます。』

A『あはは。遠慮なさらず、こちらにお越しください^^』

B『奥様、あちらに移動しましょう。』

「は、はぃ・・・」

私は、二組のカップルさんに挟まれるようにソファー席の真ん中に座らされました。
主人は対面の目の前の席で私をじっと見つめていました。

B『奥さん・・・本番以外はよろしいのですね?』

「え、あ、は、はぃ・・・」

見ず知らずの30〜40代の男性が私の肩を抱き寄せ私の顔をじっと見つめてきます。
ゆっくりと顔が近付いて来ました。心臓がバクバクと耳の中で鳴り響いていました。
もしかして、キスされちゃう!そう思った瞬間、私の唇は見ず知らずの男性の唇と重なってしまいました。
今まで夫以外に許したことのない唇でした。
愛している人としか絶対に重ね合わせてはならない唇でした。
キスは本当に私にとって大切な砦とも言うべきものだった筈でした。
それが意図も簡単に碌にしゃべったこともない、直前に会ったばかりの男性に奪われてしまったのです。

「うぶぶぶ・・・」

男は、フレンチキスでは許してくれません。
私の肩をがっちりと抑え込み、私の唇を舌で舐めまわし侵入しようとするのです。
男の舌先が私の唇をこじ開け、前歯をこそぎます。ダメ、ダメ、ダメ、これ以上もうダメ!
私の脳が激しい拒否反応を引き起こしました。

「うぶぶぶ!い、いや・・・」

思わず渾身の力で男を跳ねのけてしましました。

B『奥さん、キスはNGですか?・・・これからお二人が飛び立つための儀式にと思ったのですが・・・。
ご主人が見詰めていますよ。ご主人と相談しますか?無理強いはしません。』

夫の方を見ると、ソファーからのりだして血走った眼で私を凝視していました。
夫に助けをもとめようと見つめ返します。夫は、ゆっくりと頷きました。
いいの?見ず知らずの男性に唇を奪われて・・・あなた以外の人とキスして平気なの?
言葉にはしませんが、夫を見つめながら返事を待ちました。
私は、否定を期待し目を潤ませながら夫を見つめます。
夫は、いいんだと言わんばかりに再度ゆっくりと頷きました。

B『ご主人は、OKみたいですね。もっと見たいようです・・・。あとは、奥様が決めることです・・・。』

見ず知らずの男性とキスをする・・・。夫にしか許したことのない唇を・・・。
今まで、キスはとても神聖で大切なものと思っていました。
私にとっては他人に裸を晒すことより、ずっと心に重くのしかかる問題だったのです。
全くの想定外でした。相互鑑賞というつもりだったのです。
夫といちゃいちゃするだけ・・・。それを他人の前でするだけ・・・。そう考えていたのです。
でも、夫が求めるものは全く違いました。
本番はしないにしても、それ以外のことは、全部受け入れろということなのです。
子宮が捩れるぐらいに収縮を激しくしていました。
夫にしか許したことのない唇を自ら差し出す・・・。いえ、もう先ほど奪われてしまったのです。
強引にされたらのならまだしも、逃げられたのに目の前の男の唇を自然に受けてしまったのです。
唇が重なり男の舌が私の口内に僅かに侵入し、ことの重大さに気づいたのです。
とても失礼なことをしてしまいました。想定外だったとは言え跳ねのけてしまったのです。
でも、何故か心臓がバクバクと高鳴り、子宮が激しく求めているのです。
きっとお酒のせいだったんだと思います。判断力を著しく失っていたのだと思います。
いえ、お酒を言い訳にできる・・・お酒を言い訳にしたらいいんだ。そんな自分も確かに存在するのです。
夫も求めています。夫がそうさせてるのです。夫がそうさせたいのです。

「す、すみません・・・お、お酒飲んでいいですか?」

B『あはは。どうぞどうぞ・・・』

私は、グラスいっぱいのウイスキーを一気に飲み干しました。
普段から飲めないお酒なのに、飲んだことのない量をすでに飲んでしまっていました。
私は空のグラスを置くと、目の前の男性を見つめました。
そして・・・ゆっくりと頷いたのです。

B『奥さん・・・いいんですね・・・奥さん、力を抜いて・・・いいですね・・・』

「は、はぃ・・・あっ、ん・・・ぶぶ・・・」

返事をしようとした瞬間、男の唇が再び重なって来ました。
男は、執拗に私の唇を舌先で舐め回します。
でも先ほどとは違って、それ以上のことはしません。
固く閉じた私の唇に、ただただ優しく舌先を這わせるのです。
まるで私自らの意思で口を緩めるよう誘っているかのようでした。
ダメ、いけないこと・・・絶対許してはいけないことってもう一人の自分が叫びます。
そんな叫び声が頭に響き渡っているのに、私の口元は意思に反し緩んでいきました。
その瞬間、ニュルリと男の舌が私の口内に入って来ました。

うぶぶぶ・・・ぶちゅ〜〜じゅるじゅる・・・

私は、必死に男の舌から自分の舌を逃がしました。
逃げるとそれを絡めとるように男の舌が巻き付いて来ます。
タバコを吸わない夫と違い、たばこ臭が口内に広がり鼻に抜けます。
男の口は、私の口に吸い付いて離れません。
逃げ回っていた筈の私の舌は次第に諦め、男の好きなようにさせてしまいました。
いえ、男の舌に自らも少しずつ絡ませてしまっていました。
それは少しずつ少しずつでした。
いつの間にか、鼻息を豚のように上げながら、私の舌は男の舌を求め蠢いていました。

ブチュブチュ〜〜〜〜ジュブジュブブチュ〜〜〜ブブブ〜〜ブヒ!〜〜ジュブブチュ〜〜〜

多分、お酒のせいです。一度、栓を切った欲情は止まりませんでした。
男の強烈な唾液臭が鼻腔を刺しタバコ臭が口内に広がりるです。
普通なら、嗚咽しそうなその臭い味が、脳を麻痺させるように甘美な刺激を増幅していくのです。

ブブブ〜〜ブヒ!〜〜ジュブブチュ〜〜〜ブファッ!

B『奥さん、舌を伸ばしてごらん・・・そう・・・』

うぶっ・・・ブチュ〜〜〜〜〜ベロベロブチュ〜〜〜〜〜レロレロジュブブチュ〜〜〜

自分でもどうして男の言うことを聞いてるのか分かりませんでした。
男に言われたように口を大きく開け、舌を思いっきり伸ばしていました。
男にその舌を舌ですくわれ、絡めとられます。
さらには、洋服の上から私のバストは揉みしだかれていました。
私は拒否するどころか、まるで胸を差し出すかのように突き出してしまいます。
バストを強引に弄り揉みしだかれ甘美な快感を脳に送り込むのです。
その快感を抗うように無我夢中で男の舌を追い求めてしまいます。
いつしか私も男の口内にまで舌を差し入れ男の口内隅々を舌で愛でてしまっていました。(挿絵

ベロベロブチュ〜〜〜んふぁぁ〜〜レロレロジュブブチュ〜〜〜フガ・・・ブチュベロベロ〜〜

どのぐらいキスを重ねていたか・・・。私には1時間にも感じました。
実際は、後から夫から聞いたのですが10分足らずだったようです。
夢中で男の唇を貪り周りの声すらも聞こえなくなっていました。

A『奥さん!奥さん!』

C『奥さ〜ん!お〜い!奥さ〜ん!』

ベロベロブチュ〜〜〜んふぁぁ〜〜レロレロジュブブチュ〜〜〜・・ぶっふぁっ!

A『やっと気づいてくれました?そろそろ交代しましょう。』

そう言うと男性3人が時計回りに移動します。
私は、我に返り、殆ど脱げ落ちたサマーカーディガンを羽織り直しました。
バストを見るとワンピースがずり下がり白ブラが露わになってしまっていました。
慌ててワンピースを引上げ直しました。
ハッと夫のことが気になり、夫を見ると血走った眼で前かがみになって私を見つめていました。
何だか夫に申し訳なくなり、罪悪感を強烈に覚えました。
私は夫の目の前だと言うのに我を忘れて男の舌を追い求めていたのです。
いくら夫が求めたこととはいえ、嫌々だった筈なのにいつの間にか自ら求めてしまったのです。
夫にそのことを気付かれたかも、いえ、気づかれないはずない・・・そう思うと罪悪感でいっぱいでした。


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