序章



『いらっしゃいませ』

「マスター!こんばんわ。今日も来ちゃいました^^」

『ようこそSAKURAへ、1週間ぶりですね^^。いつも仲の良いお二人が羨ましいです。
理想のご夫婦ですよねぇ。どうぞどうぞ、こちらへ・・・えっと、ウイスキー、焼酎・・・』

「あ、水割り二つね。夫は濃い目にお願いします。今日は、何組いらっしゃるの?」

『ご主人は濃い目ですね。本日は、4組様にご予約頂いております。』

「うふふ・・・、楽しみだわ・・・。」

時刻は、夜の7時35分、少し早めですが夫と二人、マスターの秘密のアトリエ入りました。

今日は、一日中ソワソワしていました。
夫を会社に送り出し、娘を幼稚園に送ってから今日の晩を期待していたのです。
もう日課になっていますが、午前中リビングでいつにも増し激しくひとり自分を慰めて過ごしました。
昼過ぎに幼稚園に娘を迎えに行き、その足で電車で20分、バスに乗り継ぎ15分ほどの実家に向かいました。
週末は、夫との待ち合わせの時間まで実家で過ごすのがこのところの習慣になっています。
幸い両親ともに健在です。
でももう二人とも80近くになり、衰えを感じる年齢になっていました。
ほぼ毎週、娘を連れて帰るので両親もすごく嬉しそうでした。一石二鳥の親孝行です。

「今日は、おじいちゃん、おばあちゃんの家に泊まりよ。ひとりで大丈夫かな?」

『ぜんぜ〜ん、大丈夫。おじいちゃん、あそぼ!』

娘も両親も、いつも大喜びなのです。
母は、「大歓迎よ。順調なの?」と私と夫が妊活しているものと思っているようです。
本当は、全く別の理由なのです。いえ、妊活ではないのですが結果的にそうなるのかも知れません。
いつも夫との待ち合わせ時刻まで、実家でのんびり過ごします。
早めの夕飯を御馳走になり、夕方6時30分ごろ実家を出ます。
バスと電車を乗り継ぎ50分程かけ、7時30分に待ち合わせた神戸中心街の駅の東口改札に向かいます。
これがこの3ヶ月毎週のように続く習慣になっていました。(挿絵
たまにどうしても用事があったり、生理になったりしてアトリエに行けない日は、イライラしてしまうほどです。
そんな時は、夫には内緒ですが、娘の延長保育を頼み昼間のパーティにレズ友と参加していました。
マスターもよく心得ていて下さり、全く別の名前で呼んでくださり、別人として接して頂けます。
実は、今日は2日ぶりなのです。先日昼間に伺っていたのです。
マスターはそんなことおくびにも出さず、一週間ぶりと言って下さるのです。
この場所は、そんな気遣いが本当に嬉しくのびのびと羽を伸ばせる私にとってのパラダイスなのです。

目を瞑ると2日前のことが鮮烈に思い出されます。今までになくとても強烈だったのです。
一昨日の昼、いつもご一緒しているレズ友が体調を壊し、私ひとりで初めてお伺いしたのです。

『奥さん、そんなにじっとりと見て・・・このデカチンポ舐めたいのか・・・』

「・・・。」

『どうした?奥さん・・・。ここは正直になる場だよ?
昼間っから一人でここに来たってことは、したくてたまらなかったんでしょ?
どうなの?うちの女房に遠慮はいらないよ。女房は奥さんのような女が好物なんだよ。言ってみ?』

「・・・エ、ア、ハ、ハィ・・・」ゴクリ・・・

生唾を飲むとはこのことだと思いました。思わず喉が大きく鳴りました。

『あはは。そんな恥ずかしがるなよ。みんなしたいことは一緒だよ。無理強いもしないからね。』

「・・・スミマセン・・・」

『あはは。可愛いねぇ。そこに立ってスカート捲ってごらん。ほら・・・見せてごらん』

この日は、昼1時ちょっと前にアトリエに入りました。
昼間ということもあり、いつもと違って少し明るい空間が広がっていました。
暫くするとご夫婦が来場されました。ご予約は、私とこのご夫婦だけでした。
ご夫婦と言ってもどうみても奥様の方は、50過ぎのスナックのママっぽい派手な雰囲気でした。
どちらかというとかなり苦手なタイプです。
如何にも優しそうな初老のご主人はもう既に70歳は軽く超えてそうに見えます。見た目はお爺さんなのです。
大抵は4〜5組のカップルさんがいるのに、はずれもあるのかも知れないとその時は正直がっかりしたのです。
でも、一瞬でそんな不当たりは吹き飛びました。

「今日は、3人です。皆様、数回目です。
ルールはもう把握していらっしゃると思いますし、初心者向けの王様ゲームも必要ないでしょう。
私とSAKURAgirlは1階におりますね。2階3階でゆっくり存分にお楽しみください。」

マスターがそう言いながら、私達3人を2F席に促します。
存分に楽しめと言いますが、どう考えても私は楽しめそうにもありませんでした。
初老のご主人はまだしも、奥様が本当に申し訳ないけど苦手だったのです。
適当にお話あわせて、ころあい見て1Fでマスターとお話でもして過ごそうとその時は考えてました。
ちなみに2Fは、ソファー席になっていて、少し寛げる感じなのです。
2Fに上がるとカーテンが閉め切られ、薄暗いいつもの感じになっていました。
ソファー席に座ると、徐に初老のおじさんがズボンのチャックを下ろし、おちんちんを露わにしました。
驚愕と言ったらいいのでしょうか。
その巨大さ、太さ、天に突き上げたそのイチモツに息を飲みました。
今まで見たこともないぐらい立派なのです。
見たこともないぐらいと言うのは、一度、夢で見たからです。
SAKURAさんに初めてお伺いする日に、実家に娘を預けた際、昼寝したのです。
その時、夢の中にまさにこのイツモツが現れていたからです。夢の中でもお爺さんのイチモツだったのです。
デジャブかと思いました。でも現実には、亀の頭が大きく張り出した巨大なソレを、この時、初めて見たのです。
そのイチモツを隣で奥様が優しく愛おし気に撫ではじめます。益々硬く隆々とそびえ立ちます。
私は巨大なソレを見つめながら子宮を震わし全身に鳥肌を立てていました。
初老のご主人に話しかけられても心臓がバクバクと鼓動を早め、まともに受け応えもできませんでした。
全身が燃え上がるように熱く火照ってしまったのです。
そのことが見透かされているようで、羞恥心が極度に高まり脚を諤々と震わせていました。
そんな私をよそに初老のご主人は、服をどんどん脱ぎ捨てあっという間に全裸になってしまいます。
それに追いつけとばかりに、少し派手な奥様も服をどんどん脱いでしまいます。

・・・見せてごらん・・・

その言葉に、私は、夢遊病者のようによろよろと立ち上がり、ソファー席の対面の初老のご夫婦に向かってゆっくりとスカートを捲りあげました。(挿絵

「あぁ・・・・はずかしいです・・・」

『あはは。震えてるのか。可愛いね・・・。そのままよく見せてごらん・・・』

自分でもわかるぐらい股間からムワッとした淫臭が立ち上っていました。
初老のご主人が立ち上がり私の間近に来て、ジロジロと私を舐めまわすかのように見つめます。

『あは。スケベな下着だねぇ。透け透けじゃないか。それに随分と濡らして・・・』

「・・・・はずかしい・・・」

『お、もしかしてノーブラか?乳首透けてるぞ・・・。その格好でここまで来たのか?』

「あ、え、あ・・・・はぃ・・・・」

『あはは。奥さんは恥ずかしいのが感じるんだね。
ノーブラで乳首が透けてる姿を見知らぬ人に見られて興奮するんだろ?』

「・・・」

『あはは。恥ずかしいかい。益々、オマンコからエッチな臭いが立ちあがってる。見られたいんでしょ?』

「・・・」

『顔真っ赤にして・・・。可愛い奥さんだ。ほれ、全部服を脱いで見せてごらん。』

「・・・・」

『あはは。無理に脱がなくていいよ。奥様、見られたいならじっくり鑑賞させてもらうよ。
ひとつだけ奥様のこと教えてあげるよ。無意識だと思うけど、もう臍まで丸出しにスカート捲り上げてるよ。
ショーツも透け透け・・・紐Tバック・・・。もう下半身丸出しになってるよ・・・』

「あっ・・・・そ、そんな・・・い、いや・・・はずかしい・・・」

私は、いつの間にか腕に力が入り、フレアの夏物ワンピースを大きく捲り上げていました。
初老のご主人に指摘され、あまりにも恥ずかしい格好をしている自分に改めて気づき羞恥心でクラクラと眩暈を起こしていました。

『指摘してもスカート下ろさないんだね・・・。
そんな恥ずかしい格好ずっとしてるの?たぶん脱いじゃったほうがずっと気が楽になるよ。
ほら・・・脱いでごらん・・・いいね・・・』

「あぁ・・・ハィ・・・・」

私は暗示を掛けられたかのように、ワンピースをそのまま頭から脱ぎ捨て、ショーツをゆっくり下ろし全裸になりました。
その後は、ご夫婦に身体の隅々まで視姦され、究極の羞恥の時間を味わいました。
蕩け切った私の全身を隈なくお二人に愛撫されました。
隅々至る所をお二人の舌で愛撫して頂いたのです。
蕩々になった脳は、もう何もかもどうでもよくなってしまいました。
判断力を失ったのです。いえ、全身が求めてしまったのです。
私は、初老のご主人に、まさに全てを捧げてしまったのです。
それは経験もしたことも、想像すらしたこともなかった淫らで激しい変態性癖とも言うべき体験でした。
そのお話は、また後日、ゆっくりとお話させていただきます。

これが2日前に体験したSAKURAでの強烈な出来事でした。

今もお尻に薄っすら残った痣が沁み痛みます。
乳首も乳輪もお尻の中心も僅かに熱を帯びヒリヒリと痛み余韻を残していました。
その痛みが2日前のことを否が応でも思い出させます。
浮気ではないのです。心は夫を裏切っていません。それは本当です。
私は、ただその場限りの快楽を貪っただけです。
今日、今から起きるであろうことを、夫を抜きでしたに過ぎません。
夫に話してもきっと許してくれるでしょう。でも、やっぱり夫には一切話せませんでした。
いえ、夫が一緒の時には経験できない狂気の時間を口にすることはやっぱりできないのです。
快楽を貪り狂乱し初老のご主人に全てを捧げ逝き果てた自分を後ろめたく話せないのです。
後ろめたさは、私のお財布の中に忍ばせた初老のご主人の連絡先メモにもあるのかもしれません。

今、目の前で優しく微笑むマスターは、乱れ狂い嬌声を上げ叫び続けた私をご存知なのです。
でも、そんなことおくびにも見せず何事もなかったかの如くにこやかに対応してくださるのです。
だからこそ、SAKURAというこの場所は、私にとってのパラダイスなのかもしれません。

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